6月末に行われる「夏越の祓い」という行事を知っていますか?
半年分のケガレを落とす行事で、その年後半の健康と厄除けを祈願する行事です。
大晦日にも年越しの祓いとして、その年の厄を落とし、心身を清めて新年を迎える行事がありますが、その行事と対になった行事だそうです。
私はこの「夏越の祓い」という行事は「ぎんぎつね」という神社の娘が主人公の漫画で知りました。
2013年にはアニメも放送されていて、最終回はこの「夏越の祓い」についての話でした。
このぎんぎつねのアニメの影響もあり、「夏越の祓い」に行ってみたいなあ~と思っていたら
近所の神社で、「夏越の祓い」をするとのポスターが貼られていました。穢れ払いも兼ねて今年も行ってこようと思います。夏越の祓いでは、どんなことをするのでしょうか?
厄落としの方法
1・茅の輪くぐり(ちのわくぐり)
茅の輪というのは、「チガヤ」という草で編んだ輪のことです。
この輪は神社の鳥居に合わせて作るので、非常に大きいです。
「ぎんぎつね」でもご近所さんたちがたくさん集まって、大人数でこの輪を作っていました。
毎年、新しく作るようですね。
この輪の中を8の字を書くように3度くぐっていきます。
輪をくぐるときには「水無月の夏越の祓する人は、千歳(ちとせ)の命延(の)ぶというなり」と唱えながらくぐるそうです。
意味は『茅の輪をくぐつて夏越祓いをした人は、寿命が千年にも延びますよ』とのことです。
千年も生きることはないですが、唱えることで厄もおとされて、自身が清められる感じがするのはいいですね。
2・人形(ひとがた)を流す
人の形を模した紙の形代が「人形(ひとがた)」です。
人形に自分の名前や年齢などを書いて、その人形を自分の体に撫でて、罪やケガレを移して、身代わりとして神社に納めます。
神社では、この人形を川に流したり、かがり火で燃やしたりなど、水や火を使う神事で清めて厄を落としてくれます。
燃やすのはともかく、「川に流す」となると、その紙が川に浮かんで「ゴミ扱い」にならないだろうかと心配するところではありますが、「ぎんぎつね」によると、最近では「水に溶けやすい紙」を使って人形を作ってるそうです。
なので、環境にも優しくできています。
3・食べて厄落とし
京都では、ある「お菓子」を食べることで厄落としをしていたそうです。
そのお菓子とは「水無月」という和菓子です。
水無月はういろうの上に邪気を祓うあずきがのった三角形のお菓子です。
三角形なのは削りたての氷を表しているそうです。
なぜお菓子で厄払いなのかというと、冷蔵庫がなかったくらい昔は暑い夏になると暑さのため病気が流行していたそうです。
そこで、甘くて食べやすいお菓子でエネルギーを補給して、夏を乗り越えていたそうです。
「太らないのかな」とか、「虫歯は大丈夫なの」という心配はありますが、それよりも暑さを乗り切ることが大事です。
宮中では、冬にできた氷を、山間の涼しい貯蔵庫にて保管しており、その氷を食べて夏を乗り切っていたそうです。
でも、庶民にはそんな氷を食べる機会はありません。
せめて少しでも氷の気分を味わいたいとできたのが、「水無月」です。
三角形に切られたういろうは、庶民たちの氷へのあこがれが生んだ知恵。それが現在にも伝わっているんですね。
夏越の祓いは、どの神社で受けられるのか?
関東地方ではあまり聞かなかった「夏越の祓い」ですが、京都では、大きな神社では行われているようです。
有名どころでは、京都の上賀茂神社ですね。
東京ならアニメ・ラブライブの舞台としてさらに有名になった神田明神でも行われます。
出雲系の神社では行われるそうですので、お住まいの近所の神社で行事があるか調べてみるのもいいでしょう。
まとめ
神社における年の真ん中にある夏越の祓いで半年間の厄落としをして、残りの半年も元気に過ごせるようお参りしてこようと思います。
あなたも近所の神社に行ってみてはいかがでしょう?